地域内エコシステム推進事業について①
地域内エコシステム推進事業ってなに?
地域内エコシステムとは木質バイオマスエネルギーの導入を通じた地域の人々が主体の地域活性化事業です。
今回は、地域内エコシステムについて一般社団法人日本森林技術協会、株式会社森のエネルギー研究所の資料より、5回に分けてお届けします。
地域経済循環システムの構築と森林関係者への利益還元を目指します
地域内エコシステムとは、集落や市町村レベルで小規模な木質バイオマスエネルギーの熱利用または熱電併給によって、森林資源を地域内で持続的に循環させる仕組みです。
この取り組みにより、地域での森林資源を持続的に活用し、エネルギーの地産地消によって資金流出を防ぎ、地域の活性化また地域関係者への利益還元を目指します。
※一般社団法人日本森林技術協会資料より
「地域内エコシステム」の構築に向けて
平成24(2012)年の再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT制度)の運用が開始されて以降、全国において大規模な木質バイオマス発電事業が活発化しています。
燃料用材の利用が拡大する一方で、燃料の輸入が増加するとともに、間伐材、林地未利用材といった低質材(C材やD材)を利用する場合でも、流通や製造コストの安定供給の面で課題が浮き彫りとなってきています。
近年では、森林資源をマテリアル利用やエネルギーとして、地域内で持続的に活用するために、担い手の確保から小規模でエネルギー効率の高い熱利用や熱電併給に至るまでの「地域内エコシステム」の構築に向けた取り組みが進められています。
こうした中で、平成28(2016)年10月に農林水産省および経済産業省で設置した「木質バイオマスの利用促進に向けた共同研究会」において「地域内エコシステム」という概念が定義されました。
地域内エコシステムの概念
- 集落や市町村レベルで小規模な木質バイオマスエネルギーを利用することを通じて、森林資源を地域内で持続的に循環させる仕組みです。
- 地域内エコシステムを構築することで、地域の森林資源を持続的に活用し、エネルギーの地産地消によって資金流出を防ぎ、地域の活性化また地域関係者への利益還元を目指します。
地域の実情に沿ったサプライチェーンを整備、構築していきます
木質バイオマスエネルギーの導入には、様々な関係者が関わり、実現に向かっていきます。そのため、どのようなサプライチェーンを構築するのか、地域の実情に沿って多種多様な選択を柔軟にすることが必要です。