地域内エコシステム推進事業について②

地域内エコシステムとは木質バイオマスエネルギーの導入を通じた地域の人々が主体の地域活性化事業です。

今回は、地域内エコシステムについて一般社団法人日本森林技術協会、株式会社森のエネルギー研究所の資料より、5回に分けてお届けしています。第2回目は燃料の集荷範囲についてお伝えします。

燃料の集荷範囲はどれぐらい?

令和3(2021)年現在、全国において大規模な木質バイオマス発電事業が推進されていますが、これらの木質バイオマス発電所を安定的に稼働させるためには、多くの木質バイオマスの燃料が必要です。

例えば、5,000kW級以上の木質バイオマス発電所では、海外からの安価な燃料の調達や国内では当該発電所を中心として数十km圏が燃料の集荷範囲となります。

このため、国内では燃料の集荷範囲が重なり合い、発電所同士で競合が生じ、安定的な燃料の調達という点では問題となることがあります。

一方で、燃料の調達が競合状態にならない、安定的な調達を行うために燃料の集荷範囲を狭めるといった、小規模な熱利用(1MW未満)を複数箇所で展開し、面的に木質バイオマスエネルギーの取り組みを広げていく方法もあります。

このような場合は、燃料の集荷範囲は運搬費の関係から10km圏内が目安となり、主に地域主導での取り組み(=事業実施計画の策定)となります。

地域内エコシステムの構築を目指す際の範囲、いわゆる「規模感」とは、どこまでを指すのか

地域内エコシステムの概念には、「集落」や「市町村レベル」とする規模感を定義していますが、ここで集落規模や市町村単位の中で、川上(燃料用材の供給)、川中(燃料製造)、川下(エネルギー利用)を完結することにこだわると、必ずしも最適なシステムにならないことがあります。

例えば、燃料用材を供給する仕組みやエネルギーを利用する施設はあるものの、燃料の製造を行う仕組みがない場合は新たな仕組みを検討することもよいのですが、新規の設備導入は初期投資が高く、経済性等を慎重に検討する必要があります。

投資可能な予算に応じて柔軟に計画を見直すことが重要で、近隣の地域に目を向け、燃料の製造体制を有する地域と連携等した仕組みを考えることも必要です。

本補助事業では、地域内エコシステムの「規模感」として、地理的にあるいは生活圏として、複数市町村がまとまった地域圏域をイメージしながら、進めています。

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