木材を使うメリット②~人も自然も豊かになれる~

木が育っても、使わずにそのままにしておくと森はどうなるでしょう。

木も高齢化すると二酸化炭素吸収量が減少し地球温暖化防止機能が十分に働かなくなります。また、手入れをしない人工林では、生物多様性保全機能や土砂災害防止機能も衰えてきます。

森を健全に保つには、植えて、育て、伐って上手に利用する「森のサイクル」を回していくことが大切です。つまり、木を「伐って」「使う」ことで自然を豊かに保つことができるのです。

暮らしの中で木を使うことは、人の心身の健康にも大きく役立つことが近年の研究でわかってきました。木材には鉄やコンクリートにはないメリットがたくさんあります。

今回のメリットは、「木をもっと暮らしに取り入れ、木の街をつくることで、人も自然ももっと豊かになれる」をご紹介します。

木を使うと、森は元気になる!

森林には、二酸化炭素吸収による地球環境保全生物多様性保全土砂災害防止水を貯え浄化する水源涵養などの多面的機能があります。

木は育っていく過程でさかんに二酸化炭素を吸収しますが、大きく育って成長が止まると二酸化炭素の吸収量が減ってしまいます。

では、育った木はどうしたらいいのか?

育った木を伐って木材として利用し、木を伐った跡地に再び苗を植え木を育てることで、元気な森を持続させることができます。

伐って、使って、植えて、育てる「森のサイクル」を回すことで、森を元気にして、森の多面的機能を最大限に生かすことができるのです。

木を使うと、人々が健やかになる!

ともしびショップ湘南平/湘南リトルツリー

木の香りをかぐと落ち着いた気分になりませんか?

最近の研究では、木には人のストレスを少なくし、疲れにくくすることが科学的に明らかになっています。

ある実験ではスギチップの香りに血圧を低下させ、体をリラックスさせる効果がみられました。また、ヒノキの香りの成分が、ウイルスや細菌などに対抗する人の免疫細胞の働きを上昇させたという報告もあります。

香りだけでなく木の触感も生理的ストレスを生じさせない効果があります。さらに木の部屋では、睡眠の質が向上する傾向があることが確認されています。

木を使って、快適空間

ナイス株式会社

木には空気中の水分を放出・吸収する作用があります。

そのため木の部屋は一年を通じて湿度が一定に保たれます。また、木は多孔質の細胞構造で一つひとつの細胞が空気に満たされているので、鉄やコンクリートに比べ断熱効果に優れ、外気の寒暖の影響を受けにくく生活しやすい空間を実現します。

さらに、木は衝撃を緩和するため、歩行が安定し疲れにくいという効果や、悪臭の吸着・大気汚染物質の除去・抗菌効果などもあります。床材を木に変えたら室内のダニが減少したという報告もあり、快適な居住空間の実現に木はもってこいの素材なのです。

木を使うと、仕事や勉強の効率アップ!

松田町立松田小学校

木造校舎と鉄筋コンクリート校舎では、木造校舎の方が子供たちの集中力が高く、疲労度が少ないという実験結果がでています。

また、3種類の木目で囲まれた空間と白色クロスで囲まれた空間で小中学生の子どもたちに計算と休憩を繰り返す実験をしたところ、木目空間の方が計算中は集中力が高く、休憩中はリラックスしているという結果がでました。

つまり木で囲まれた環境の方が、仕事や勉強に集中でき、疲労も少ないというメリットがあるのです。

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