木材を使わないとどうなるの?
前回までにお話しした通り、木材を使うメリットというのは、
- 木材は資源として再生可能である
- 地球温暖化防止にも役立つ
- 木材を使うと森が元気になる
- 木を使うと、人々が健やかになる
- 木を使うと快適空間が生まれる
- 木を使うことで仕事や勉強の効率がアップする
など、ありました。
では、今度は木を使わないとどのようなことが起こるのか、林野庁のホームページや政府広報オンラインなどから引用してお話しします。
森は人の手を加えないと大変なことになる!
木を伐採しないで、そのまま自然にまかせて放っておくと、どのようなことが起きるのでしょうか。
木が密集して日光が差し込まなくなり、下草が生えなくなっていきます。すると、それにより土壌がなくなったり、土砂崩れの原因になっていくのです。
また、そのまま放置した状態であれば、新しい木が植えられずに高齢の木々ばかりになってしまいます。森の高齢化によって二酸化炭素の吸収量が低下するなど、森林の持つ多面的機能の低下につながってしまうのです。
では、どうしたらいいのでしょうか?
植栽した木を間引きして密度を調整する「間伐(かんばつ)」
日本の人工林は、約1000万haあり、昭和30年~40年を中心に植林しています。その植林された木が現在は成長して、密集している状態です。そこで、成長に伴って混みすぎている木を伐採して健康な森林の状態にします。これを間伐と言います。
このとき、伐採された木を木材にしたものを間伐材といい、この間伐材を活用することで、森が健康な状態を保っていくのです。
今、現在森林はどのような状況なのでしょうか
現在、成長したこれら人工林の多くが木材として利用可能になっています。
しかし、外国産木材の輸入量の増加や林業の採算性の低下により、国産材供給量は国内全体における木材需要量(約7,500万立方メートル)の約3割(約2,500万立方メートル)に留まっています。
このような林業の生産活動の停滞から、放置される森林(人工林)もみられるようになっています。
バランスの取れた状態にするには
では、このような現状の人工林をバランスの取れた状態にしていくにはどのようにしたらいいのでしょうか?
私たちに出来ることは?
■木づかい運動
平成17年度から、林野庁を中心に、木材を利用することの意義を広め、木材利用を拡大していくための国民運動を行っています。
これを「木づかい運動」といいます。
神奈川県では、平成7年よりかながわ県産木材のPRイベントの開催に関連する事業や、木づかい運動の広報活動に関する事業を行い、「かながわ木づかい運動」を推進しています。その活動を行うために「かながわ木づかい推進協議会」が設立されました。
家庭やオフィスでも木づかいができます
日頃使う割り箸や、オフィスで使うコピー用紙、スーパーで買った飲料容器。身近な製品の原材料は様々ですが、実は、中には、原材料に地域材あるいは間伐材を活用した製品もあります。
こうした木材由来の製品を買うときには、「植える、育てる、収穫する、上手に使う」という、人工林のサイクルの中で産出された、木材を活用した製品を選ぶことで、森林の整備につながります。
■木育(もくいく)
「木育(もくいく)」とは、子どもから大人までを対象に、木材や木製品との触れ合いを通じて木材への親しみや木の文化への理解を深めて、木材の良さや利用の意義を学ぶための教育活動で、「木づかい運動」の一環として取組が広がっています。
例えば、「東京おもちゃ美術館」では、厳選した木のおもちゃのセットを各地に運び、子どもたちが木のおもちゃに触れる機会を全国に広める「木育キャラバン」を、毎年、全国各地で開催しています。また、子育てや教育関連等、複数の関係者が連携し、小中学生向けに開発された、「木育プログラム」は、木材に関する授業と森林での間伐体験や木工体験を組み合わせたものです。
また、神奈川県でも「かながわの森のカケラ」(木づかいコミュニケーショングッズ)として、今年度は神奈川県のスギの間伐材を使ってカスタネットを作り、県内のご希望の団体に配布いたしました。(応募多数のため抽選での配布となりました)
そのほか、神奈川県産の木材で作られた製品をまとめてご紹介している「かながわ木づかい応援カタログ」もご用意しています。ぜひ、神奈川県産木材を使った製品を暮らしに取り入れ、「かながわ木づかい運動」にご参加ください。