木を活かした建築物を増やしたほうがいいわけ その3
地球環境に大切な森林資源を守るには、木材を利用し、森を常に活性化していく必要があります。その一助となるのが、建築物の木造化・木質化の促進です。
今回は木を活かした建築物を増やした方がいいわけの「その3」をお伝えします。
※「木を活かした医療施設・福祉施設の手引き」より抜粋
森林資源は2.7倍に。人工林の伐採・利用の推進が必要
日本の森林資源はどれくらいなのでしょうか。
平成29年の天然林と人工林を合わせた森林蓄積(森林を構成する幹の体積)は52億立方メートルです。
この半世紀で約2.7倍と大幅に増えました。
特に人工林の増加は5倍以上にもなっています。
人工林の半数が主伐期。人工林の伐採・利用の推進が必要です。
平成29年のデータでは、人工林の総面積は1018万ヘクタールです。
木材として利用できる齢級(森林の年齢である林齢を5年単位でまとめたもの。
林齢1~5年生が1齢級)に達した木を伐採することを主伐といいます。
これは次世代の森林の造成も兼ねるのですが、この主伐に適した時期を主伐期といい、11齢級(51~55年生)がそれにあたります。
そして、人工林の約半数がこの主伐期を迎えつつあるのです。
一方、齢級別の面積のデータ(下図参照)を見ると、若い齢級の人工林が少ないのが実状です。
将来の森林育成のためには、人工林の伐採・利用を積極的に推進して、人工林の更新をはかることが必要となっています。