FSCの商標を使用するには

今回は、FSCの商標を使用するために必要なことをFSCジャパン、FSC応援PROJECTのホームページより引用して解説していきます。

※主に事業者向けの内容です。

参考:「堀内ウッドクラフト」のFSC認証木製品

認証を取得していない営利組織による商標利用

対象

小売業者や認証製品を使用する企業など、認証製品が完成品になるまでの加工・流通に携わらない営利組織は、基本的に認証を取得する必要はありません。

認証を取得する必要のない営利組織は、FSCプロモーションライセンス契約によってFSCの商標を使用することができます。

FSCプロモーションライセンス」を取得することで、FSCの商標を使用し、認証製品に関する広告宣伝を行うことができます

また、公共機関、非営利組織であっても、自身の活動や商品と絡めてFSC商標を使用する際は、プロモーションライセンスを取得する必要があります。

なお、原則として、広告宣伝の対象となる製品は以下の条件を満たす必要があります。

  • FSCラベル付きの最終製品であること。
  • 認証取得サプライヤーから直接購入していること。

ただし、2つ目の条件には例外規定があります。

この例外規定は、「認証取得者からの直接購入の例外条件」という文書に記載されております。

認証を取得する必要がある場合

森林管理者、印刷業者、製造業者、流通業者など、広告宣伝の対象となる製品が完成するまでの生産・加工・流通工程に関わる組織の場合は、FSC認証を取得することで、FSCラベル、広告宣伝用マーク、単体ロゴを使用することができます。

認証取得者による商標利用

FMまたはCoC認証取得者の方は、FSCラベル、広告宣伝用マーク、単体ロゴを使用することができます。
商標利用の方法については各認証機関までお問い合わせください。

製品用FSCラベルの作成・ダウンロード方法

製品用FSCラベルは、FSC商標ポータルにログインしていただいたのちに、ラベルジェネレーターというページで作成、ダウンロードできます。ログインに必要な情報は、認証取得時に認証機関から通知されます。

FSC認証の取得方法

FSC認証には森が適切に管理されていることを評価する「FM認証」と、適切な管理の下に認証材の加工・流通が行われていることを評価する「CoC認証」の2種類があります。ここでは特に「CoC認証」の取得方法について紹介します。

FSC認証の種類|FM認証とCoC認証の違い

FSC認証には適切に管理された森を評価する「FM認証(Forest Management、森林管理)」と適切な管理のもと加工・流通を行う工程を評価する「CoC認証(Chain of Custody、加工・流通過程)」の2種類の認証があります。

FSC CoC認証の種類|単独認証、グループ認証、マルチサイト認証

取得できるFSC CoC認証には、対象となる組織の業務内容や形態、拠点の数などに応じて、下記の3種類の方法があります。

  • 単独認証

1つの組織単独で取得する方法です。同じ組織であれば、同じ国内の複数のサイト(工場や販売拠点など)を1つの認証としてまとめて取得することもできます。

  • マルチサイト認証

組織が同じ国内の複数の組織を管理・運営している場合に、1つの認証としてまとめて取得する方法です。

単独認証が同じ組織内のみであるのに対し、マルチサイト認証は、グループ企業や関連企業でも対象になります。要件として

  • 集中購買・販売機能を持つ、
  • 共通した運営手順(同じ製造方式・製品仕様、管理ソフトが共通など)、
  • 同じブランド名であること

のいずれかを満たしている必要があります。

例えば、国内に複数の関連会社工場や販売拠点、フランチャイズを持つ場合などが当てはまり、主に大企業で取得されています。

ただし、

  • 会社の設立権を持たない組織、
  • 認証範囲からの追加・除外ができない組織、
  • 広告のための組織、
  • 営利目的の会員を持つ非営利組織

などは対象外になります。

  • グループ認証

小規模*の独立した企業が同国内でグループを結成している場合、共同で1つの認証として取得することができます。

認証管理の責任をもつ本部組織と、グループに参加するメンバーで構成され、それぞれ責任が異なります。

各メンバーはそれぞれFSC CoC規格の要求項目を満たす義務があり、本部組織はそれを技術的にサポートし、管理する責任があります。

なお、審査は無作為によるサンプリングで行われるため、メンバー各々がそれぞれ単独認証を取得するよりも、全体にかかる認証取得費・維持費を抑えることができます。

*フルタイム相当の従業員数が15名以下、またはフルタイム相当の従業員数が25名以下かつ合計年間売上高がUS$ 1,000,000以下。

審査方法と期間、認証の有効期限など

CoC認証を取得するには、第三者認証機関が提供する審査に合格する必要があります。

審査に向けて、FSCの規格に沿った運用・管理方法を構築し、マニュアルを作成。その内容を関係者に教育するなど、様々な事前準備が必要です。

認証機関の審査員がまとめた認証審査報告書が、FSC規格の要求事項を満たされていると判断されれば認証を受けることができます。

審査には3ヶ月から半年ほどかかります。認証発行が認証機関からFSCに報告されるとFSCの認証取得者データベースに公開され、検索できるようになります。

CoC認証の有効期限は5年間となっており、FSC認証基準を継続的に順守しているかを確認するために、1年毎に年次監査を受ける必要があります。

また、有効期限が切れる前に更新審査を受け、認証を更新する必要があります。

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