木材利用のメリット①~木材は環境にやさしい~

日本の国土の約3分の2は、森林で占められています。そのうち約4割が木材として利用する目的で人の手によって植えられた人工林です。

戦後にたくさん植えられた木は、いま大きく育ち、伐って木材として利用できるようになっています。しかし木材となる森林資源が増えている今、建物は鉄筋コンクリートになり、生活の主流はプラスチック製品が占めています。

森林資源があるにもかかわらず、木材の利用は減少しているのです。

近年、木材利用の推進が注目されていますが、実際に木材を暮らしに取り入れることで得られるメリットとはいったいどんなものがあるのでしょうか?

林野庁や、一般社団法人全国木材組合連合会などのホームページから引用してご案内します。1回目のメリットは「木材は環境にやさしい」です。

再使用、再利用、再生産可能な資源

私たちの身の回りにあるものを見回してみましょう。

鉄やアルミニウム、プラスチック、石油などがあふれています。これらは使ったあと、再使用や再利用することはできても、資源そのものを再生産することはできません。

それに引き換え、木材は、再使用や再利用できるのはもちろんですが、さらに、森林から再生産することができる貴重な資源です。

適切な量だけ使うこと、伐ったら植えて育てること。これを繰り返し行うことでいつまでも枯れることなく使い続けることができる資源、それが木材です。

木材は、柱や板から木質ボード、紙、さらには燃料(バイオマスエネルギー)といったように、形を変えながら何度も利用(多段階利用)することができます。

一度使用した後も再利用して、繰り返し使うことにより、環境への負荷を一層少なくすることができます。

そして、最終的には、微生物等の働きにより分解されることから、土に返すこともできます。同じ材料をできる限り効率的に繰り返し使うことが、資源の消費を減らし、環境を守ることにつながるのです。

地球温暖化の防止にも役立ちます

木材を使うことは、二酸化炭素の貯蔵、排出抑制を通じて、地球温暖化防止にも貢献します。

例えば、木材を住宅や家具にたくさん利用し、手入れをしながら大事に使い続ければ、木材の中に固定された炭素をそれだけ多く、長い間蓄えることになり、大気中の二酸化炭素の濃度が上昇するのを抑えるのに役立ちます。つまり、木造住宅を増やしていくことは、街にもう一つの森林を造ることと同じような効果があるといえます。

また、木材は、鉄やアルミニウムと比べ、製造や加工に必要なエネルギーがとても少なくてすみます。ですから、これらの資材の代わりに木材を使えば、その分だけ省エネルギーにつながります。 

最終的には、石油などの化石燃料の代わりにエネルギーとして利用すれば、その分、さらに二酸化炭素の排出を抑制することができます。

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