木材を使うメリット③
前回、木を使うメリットとして「木をもっと暮らしに取り入れ、木の街をつくることで、人も自然ももっと豊かになれる」をご紹介しました。
詳しくは、↓の記事をご覧ください。
https://kanagawanomori.com/merit-2
今回は、どのように私たちの暮らしにメリットを与えてくれているのか、をご紹介していきます。
木は、人にやさしい素材
森林の産物である木材は、人にとって様々な心地よい感覚を与えてくれる素材です。具体的に見ていきましょう。
木材は、室内を心地よい湿度に保つ働きがある
木には湿度が高くなると水分を吸収し、低くなると水分を放出して、室内の湿度を一定に保とうとする働きがあります。
だから、木造住宅や木の家具などを室内に置くことにより、室内を快適な湿度に保ち、心地よい暮らしを得ることが出来るのです。
木のおもちゃや食器など、身近なものを木の製品に変えていくことも効果があります。
木は冬に暖かくて、夏に涼しい
コンクリートや金属などに比べて熱伝導率が低い木材を利用することで、熱を伝えにくく、人が触れたときに温かく感じられます。
熱伝導率は密度と比例関係にあり、密度が高いものほど熱伝導率は高くなります。
木材は、無数の細胞からなり、そのひとつひとつに熱を伝えにくい空気を含んでいるため、コンクリートなどに比べ高い断熱性をもっています。これが空気の層を作り、密度を下げ熱伝導率を下げ、高い断熱性を生み出し、室内は外気温の影響を受けにくくなります。
木材、ビニールタイル、コンクリートを床材にして足の甲の皮膚の温度変化を測定すると、コンクリートがもっとも足が冷え、木材がもっとも冷えなかったという結果が得られています。
高い断熱性による保温効果により、夏は涼しく冬は暖かい。快適な住まいづくりにとって重要なポイントです。
木の香りでリラックス
木の香りにはストレスをやわらげ、心と体をリラックスさせる働きがあります。
香りが私たちの気分に影響を与えることは経験的に知られていますが、近年では血圧が下がるといった計測データに基づいた、リラックス状態の評価も進み、木の香りによるリラックス効果が明らかになってきました。
ある小学校で、木製の机と椅子を導入したところ、子ども達が、物事に熱心になった、あくびがあまりでなくなったといった「良い傾向の変化」が多かったという調査結果も出ています。
木製の机・椅子が導入された後の授業中の子どもの様子(教師から見た様子)
木は目にやさしく、音をまろやかにする
紫外線は私たちの身体に悪い影響を与えることがあり、海や雪山ではこの有害な紫外線から目を守るためにサングラスをかけて目を保護します。
木材は、紫外線をよく吸収するため、木材から反射する光にはほとんど紫外線は含まれません。紫外線の反射が少なければ、目に与える刺激も小さくなることから、木材は目にやさしい材料であるといえます。
また、木材は、音を適度に吸収してまろやかにし、心地よく感じる範囲に調整してくれます。木材を使った部屋は「音がいつまでも響かず適度に反射する」ので音が聞きやすいといわれています。